川金ダイカスト工業様は創業90年のアルミダイカストにおけるパイオニア企業です。加工、鋳造から組み立てまでの一貫した生産体制、幅広い生産設備と優れた精密鋳造技術の融合により高精度、高品質な製品を創造し、世界標準をリードし続けています。
小さな改善の蓄積が生み出す高品質
高度化する市場ニーズへの対応力強化
今回、自動車エンジン、船外部品等の生産受注のための設備投資として800トンのダイカストマシンの新規導入、鋳造後の加工機器を含む生産ラインを新たに構築。強みである140トンの小型から1650トンの大型までの多彩な生産設備を備え、市場への対応力をさらに強化しました。近年、グループ会社における協業体制の強化により、さらなる設備面での拡充と技術革新を図っています。
高品質・高効率生産を実現する冷却システムの導入
以前より課題であった冷却温度・水質の安定化に対し、ダイカストマシンへの二次冷却システム導入を行いました。
今回のシステムの特徴は、800トン(低圧・高圧)、1250トン(低圧)の二台ダイカストマシン両側の金型冷却系統を一台の冷却システムで完結させた点。冷却水温を35度でキープ可能になったことで、これまでの季節、夜間日中と外部要因による冷却水温の変動が引き起こす成形不良の問題が一気に解消。高圧側冷却回路の簡略化も可能になり導入・ランニングコストの負担軽減も実現でき、システムの合理化を図りました。
二次側は閉回路のため屋外からの異物混入防止、他の機械からの排水による汚れもなく、水処理装置によりスケールや錆、詰まりを防止し水質の安定化を実現。冷却水の水質悪化による冷却効率の低下や金型メンテナンス頻度の低減にも今後さらなる可能性が見込めます。
提案ハイライト
川金ダイカスト工業様に導入された二次冷却システムは、低圧・高圧の両冷却系統を一台で担うことで省エネ、イニシャルコストの削減、省スペースに。一年を通して安定した水温・水圧・水質を実現しました。焼き付きなどによる成形不良や金型のメンテナンス頻度の低減、配管の詰まり、冷却水への錆や異物の混入も発生しにくく、冷却効果の低下を防ぎます。
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- 1by2で合理的なシステム構築
ダイカストマシンに1対1での個別冷却ではなく、低圧側・高圧側両系統を一台の冷却システムで最適化。コンパクトでカスタマイズ性の高いシステム構築をご提案。 - 冷却水温度の安定
冬季は氷点下10度にもなる季節や時間帯による外気温の変化、操業形態などの外的要因の影響なく35度を維持。金型温度が安定することで成形不良を低減。 - 水質の維持
二次冷却側が密閉回路のためクーリングタワーから循環水への異物混入防止、シリカを多く含む地下水も軟水器等水処理装置導入によりスケールの付着防止や金型メンテナンス頻度を低減。 - 環境負荷の低減
年間を通じて水温・水質・水圧を常に最適化し安定に保つことで、エネルギー消費の無駄が省け環境負荷の低減を実現。
- 1by2で合理的なシステム構築
安全で高品位なものづくりを目指して
川金ダイカスト工業様の製品は自動車部品が約6割を占め、次に船外機、二輪車、産業機器の部品製造を主としています。
小型から大型まで幅広い産業分野の基盤部材製造を可能にするダイカストマシンと多彩な機械設備を保有し、機械加工、熱処理、塗装、組み立てまで一貫加工しています。
半凝固ダイカストの一種であるナノキャスト法などの技術開発、高度な生産システムの導入と長年培われた製造ノウハウとが生み出す高精度、高品質な製品づくりは市場においても高い優位性を持っています。
また、安全で高品質なモノづくり産業の持続的な発展に寄与することを目指し、生産ラインにおける環境負荷低減(CO2削減、排水処理、材料リサイクルなど)、安心安全な職場づくりをはじめ熟練製造技術の継承や人材育成、雇用創出などを通した地域社会の発展にも貢献していきます。
商 号 | 株式会社 川金ダイカスト工業 Kawakin Die Casting Industries Co., Ltd. |
所在地 | 〒961-0835 福島県白河市白坂陣場15 TEL:0248-28-2101 FAX:0248-28-2317 |
代表者 | 代表取締役社長 三輪 政彦 |
創 業 | 昭和9年(1934年)9月 |
資本金 | 1億円 |
従業員 | 192名(本社工場:119名 熊本工場:73名)※2020年4月時点 |
事業内容 | 自動車部品、船外機部品、通信・光学機器、産業機械、建材・事務機器、ガスメーターなどのダイカスト製品の製造・販売 |